取付け構法
ALC建築の安全のために
ALC建築の耐震性を高めるために、ALC協会とメーカー各社が取り組んできたのがALCパネルの取付け構法の開発です。安全をより確実なものにするために、取付け構法は現在も進展し続けています。
ALC建築の耐震性を高めるために、ALC協会とメーカー各社が取り組んできたのがALCパネルの取付け構法の開発です。安全をより確実なものにするために、取付け構法は現在も進展し続けています。
ALCパネルの取付けについては、外壁、間仕切壁、屋根、床それぞれについて構法が標準化されています。
■縦壁ロッキング構法
躯体の層間変形に対して、パネルが1枚ごとに面内方向に微小回転して追従する構法。下地鋼材に溶接などで固定した取付け金物とパネル内部のアンカーをボルト止めして躯体に取付けます。パネル重量はパネル下中央の自重受け金物などが支持します。
「ALCパネル取付け構法標準・同解説」(950KB)
■横壁アンカー構法
躯体の層間変形に対して、上下段のパネルが相互にずれ合い追従する構法。下地鋼材に溶接などで固定した取付け金物とパネル内部のアンカーをボルト止めして躯体に取付けます。パネル重量は3~5段ごとに取り付ける自重受け金物が支持します。
「ALCパネル取付け構法標準・同解説」(950KB)
■間仕切壁ロッキング構法
躯体の層間変形に対して、パネルが1枚ごとに面内方向に微小回転して追従する構法。パネル下部は床面に固定した取付け金物に取付け、上部はパネル内部のアンカーと取付け金物をボルト止めして下地鋼材に固定します。
「ALCパネル取付け構法標準・同解説」(950KB)
■縦壁フットプレート構法
躯体の層間変形に対して、パネル上部がスライドして追従する構法。床面に固定した取付け金物にパネル下部をはめこみます。パネル上部は3種類の取付け構法があります。
■敷設筋構法
パネル間の長辺目地上面に設けられた溝に、短辺目地に固定したスラブプレートを用いて鉄筋を敷設し、目地部にモルタルを充填して取り付ける構法。軒まわり、パラペットまわりおよび外壁などの建物周辺部は、場所によりマルカン・角座金R・丸座金などの取付け金物を使用します。
「ALCパネル取付け構法標準・同解説」(950KB)
■木造用敷設筋構法
パネル間の長辺目地上面に設けられた溝に、短辺目地に固定したねじ付マルカンを用いて鉄筋を敷設し、目地部にモルタルを充填して取り付ける構法。軒まわり、パラペットまわりおよび外壁などの建物周辺部は、場所により角座金R・丸座金などの取付け金物を使用します。
「ALCパネル取付け構法標準・同解説」(950KB)
■木造用ねじ止め構法
支持構造部材や下地木材に、木ねじなどを用いてパネルを取り付ける構法。
「ALCパネル取付け構法標準・同解説」(950KB)
パネルの張り方には、縦張りと横張りがあります。いずれの場合も下地材となる胴縁または柱・間柱などに下地材の種別に応じた接合材を用いて固定します。なお、木造住宅における横張りで通気層を設ける場合は、柱または間柱に取付けた通気胴縁にパネルを固定します。
ALC 協会とメーカー各社は、大震災が起きるたびにその被害の実態を調査してきました。その一方で、外部機関との耐震性能に関する共同研究を積極的に実施し、こうして得られた成果を構法開発に反映させ安全性向上に結びつけています。
長周期地震動は数秒という長い周期で大きく揺れる地震動のことで、超高層建物の固有の振動数と一致しやすく、予想外のダメージをもたらすのではないかと懸念されています。独立行政法人防災科学研究所と兵庫県は、この問題を検証するため“E ディフェンス※ ” にて実大実験を行いました。実験棟には縦壁ロッキング構法によるALC パネルの外壁が採用され、その耐震性能が証明されました。
Eディフェンス(E-defense)
独立行政法人 防災科学技術研究所兵庫耐震工学研究センターに設置されている大型構造物の震動破壊実験を行う世界最大規模の実大三次元震動破壊実験施設。
地上高さ100m・30階の超高層建物の29階と30階部分を切り出した実大寸法の試験体を用い、兵庫県南部地震時にJR鷹取駅(神戸市須磨区)で観測された地震波を再現しました。
※ALC協会が撮影した映像を独立行政法人防災科学技術研究所の許可を得て掲載しています。
映像では実験時間を短縮しています。
取付け構法だけではなく、ALC パネルの取付け工事もその仕様が標準化されています。中心的な役割を果たしているのが日本建築学会発行の建築工事標準仕様書「JASS 21 ALC パネル工事」と、薄形パネル工事の規定を含む「JASS 27 乾式外壁工事」です。また、日本建築仕上学会からはタイル張り関連の仕様書などが発行されています。